われわれ人間は、赤ちゃんとして生まれてくる前には、胎内にいて、へその緒でつながっていることは、誰でも知っています。そして生まれるときにへその緒が切れるわけですが、彼の次元から見ると、これと同じことが、逆の現象として現れるといいます。
われわれが、この物質世界に生まれると同時にへその緒が切れると、目には見えないですが、「霊子線」というものが、霊界(潜在意識の宇宙)とつながって、われわれに生命エネルギー(宇宙エネルギー)を送りつづけることになります。別章で説明されているように、霊的真理に則った行動(世のため、人のためになると信じて為す愛の行動)を重ねて、波動を高めれば高めるほど、この「霊子線」は太くなり、より大きな生命エネルギーを得やすくなるようです。
そして、人間が死んだときにこの霊子線は切れて、(ちょうど物質世界ではへその緒が切れるように)彼の次元から見れば、潜在意識の宇宙に生還するということになるそうです。
波動が高い人のことを別な言い方をすれば「霊格が高い」とも言う。(厳密には波動は常に変動しているので、波動が高いときが多い、と言うべきか。)
しかし、霊格が高いということは、必ずしも物質世界での裕福であることや、知名度が高いこと、地位が高いこととは関係しません。もちろん、それらが霊格の高さと一致している人もいますが、本当に霊格の高い人というのは、たとえ自分が貧しい状態にあっても、困っている人に施しをしたり、たとえ自分が困難な状況に遭わされても、許してその人の平安を願う人のことを指すのです。
その証拠に、乞食のような生活をしている人の中に、とんでもない高い光の波動をもつ方もいらっしゃるそうです。
物質世界で人間が持っている力というのは、エゴの力であることが多く、限界があります。例えば、金銭的に豊かになり、財力をもったとしても、「お金」そのものにフォーカス(執着の目的)があるような場合は、その財力があるうちはよいですが、お金がなくなってしまえば、それにフォーカスしていた力はなくなってしまいます。同様に、地位の高い男性や若く美しい女性など、外面的なことだけにフォーカスがあるような場合は、やがて時がたって、その男性が失職して地位がなくなったり、その女性が老いてシワが増えて太ったりといった姿をみるようになれば、そこにフォーカスしていた力は消えうせてしまうのです。
このように、エゴの力に頼ることは、やがて来る限界への不安を招くことになります。 われわれはこの物質世界で生きている間は、「霊子線」によって生命エネルギー(愛のエネルギー)を得ているわけですから、利己的なエゴの心を少しでもなくし、生命エネルギーという無限の力を多く受けることができるように努力したいものです。